2016-03-01 水槽の前で ぷらいべーと お前は夕べ 明日の楽しみを数えながらやすらかな夜を過ごしたろう目覚めれば空の住人になっていたことをいつ知ってくれるだろう光のない水槽を前に お前の前世と現世を 私は慈しむのだすると お前がぐるっとカーブを描きながら じっと目を据え私の目の前を通り過ぎていくのだしかし お前はもういないのだ水槽は重く濁り お前の住む世界は もう無くなっただから私は お前の為に美しい水を また汲む たくわえるお前の瞳が忘れられないからお前をまた迎える 待っててくれ