aronwan77’s diary

金魚と熱帯魚の飼育、高齢者介護

水槽の前で

お前は夕べ 明日の楽しみを数えながら
やすらかな夜を過ごしたろう
目覚めれば空の住人になっていたことを
いつ知ってくれるだろう
光のない水槽を前に お前の前世と現世を 私は慈しむのだ
すると お前がぐるっとカーブを描きながら じっと目を据え
私の目の前を通り過ぎていくのだ
しかし お前はもういないのだ
水槽は重く濁り お前の住む世界は もう無くなった
だから私は お前の為に美しい水を また汲む たくわえる
お前の瞳が忘れられないから
お前をまた迎える 待っててくれ